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KYMCO MAGAZINE Vol.3


「キムコ レーシングS125は空冷4スト4バルブ単気筒の「バトルアックスエンジン」を「チューブハイドロフォーミング」と呼ばれる高剛性なシャーシに搭載したスポーツスクーターである…。 と表記をそのままに解釈してしまうと、「かなり過激なマシン」と大きな誤解を生んでしまうかもしれない。

確かにキムコ製125スクーターのラインアップの中では一番スポーティーに味付けされていることに異論はない。 但し、それはあくまでテイストの話である。決してスクーターの日常性を犠牲にしている訳ではない。

最大40度のバンク角もサーキット走行を可能とするポテンシャル(潜在能力)の証明でしかない。 よって初心者や女性の初めてのバイク、もしくはベテランライダーの通勤・セカンドバイク候補からこのレーシングS125を除外しないで頂きたい。

このマシンの特徴を簡潔に記すなら「引き締まった体躯と俊敏な手足」である。

引き締まった体躯とは全長1830㎜という国内メーカーの人気モデルと同寸、つまり125スクーターならではの割り切ったコンパクトボディを示す。

兄弟車にダウンタウン125という大型シャーシのマシンや、クラシックな外観を纏ったターセリー125が存在するため、このレーシングSは独自路線、言わばスクーターの王道を歩んでいる。 このカテゴリーは大きくても小さくても駄目なのだ。

俊敏な手足はスポーツスクーターらしい、握力に忠実なブレーキとそれを受け止めるハードなセッティングの前後サスペンション。 φ33mmテレスコピックFフォークはとても頼りになる存在で、かなりハードなブレーキングでも車体が前のめりにならない。

コーナーリングは軽快そのもので、アクセルのオンオフによって走行ラインが大きく乱れることもなく、ギャップを乗り越えてもシャーシが悲鳴をあげることはない。

リアサスは不等バネを運転者とタンデムシートの間に高角度にマウントしている。
これがタンデム時でも車体バランスを後方に集中させない一因となっており、このボディサイズとしては快適なタンデムランを可能としている。

発進時に「ドン!」といきなりトルクを路面に伝えるエンジン特性ではなくパッセンジャーは身構える必要はない。

シート下のヘルメット収納は1つだが、フックを利用すればタンデム時でもヘルメット収納に困らない。 更に燃料キャップとシート開閉をメインキーに集合させた利便性(USB電源もキーシリンダーの隣)や簡単に折り畳めるバックミラー、視認性の良いメーターなど都市部での使い易さをキムコブランドは知り尽くしている。
シンプルで無駄のない作りは、さすがスクーター大国の完成度と言わざるを得ない。

もうお解りだろうか、このマシンにスクーターとしての死角は見当たらない。

サーキット走行も可能とするポテンシャル「引き締まった体躯と俊敏なる手足」はベテランライダーを満足させるだけではなく、初心者や女性の公道走行の安全に寄与することは間違いない。 更にシティコミューターとしての機能をシンプルに配している点も見逃せない。
レーシングS125はピンクナンバースクーターの王道をひた走る、キムコ125スクーターのフラッグシップなのである。